空気科学住宅(論文)Ⅲ

空気科学住宅®にお寄せ頂きましたご相談・ご質問に対して、
国立病院機構都城医療センター附属看護学校 非常勤講師 野口大輔先生監修のもと、
該当する学術論文をお探しし、ご案内してまいりました。

このページでは、喘息・アトピー性皮膚炎が起こる原因や空気環境との因果関係について
野口先生による【論文紹介】を掲載しております。

喘息とアトピー性皮膚炎の具体的な予防方法や室内環境の改善方法についても紹介していますので
参考にしてみてください。

詳細が気になる方は、オリジナル論文にも訪れてみてください。

【No.11】住環境が居住者の健康維持増進に与える影響に関する研究

【No.12】アトピー性皮膚炎患者の住居とその特徴  ―集合住宅におけるダニ数及び縁塵量の多い平面の分析―

【No.13】室内環境におけるアレルギー疾患の現状  ―真菌アレルギーを中心に―

【No.14】住宅における室内空気質に起因する健康影響  ―室内空気汚染とカビ・ダニ等の微生物汚染―

 

‐2024/7/29‐

【No.11】住環境が居住者の健康維持増進に与える影響に関する研究

日本人は一日の半分以上の時間を住宅内で過ごしており、国民の健康維持増進のために良好な住環境の創出は極めて重要な課題です。 今回の論文は、全国の戸建住宅の環境性能の水準と居住者の各種疾病の有病割合の実態をそれぞれ把握して両者の関係性を明確にしています。

大規模なWEB調査を実施した結果、回収されたデータから住宅環境性能が高いほど、総じて各種疾病の有病割合が低疾病を有しない健康な方の割合が多いことが明らかになりました。また、年齢別、所得水準別に分析しても同様の傾向が示されました。具体的には、住宅環境性能が下位のグループに対して中位のグループと上位のグループのオッズ比を算出した結果、全ての疾病で値が1.0を下回り、良好な住環境ほど疾病割合が低下することが示され、環境性能が下位のグループに対して上位のグループは疾病を持たない健康者のオッズ比の値が1.4におよぶことが明らかになりました。

これより、住環境の適切な整備が各種の疾病を予防する可能性が示唆され、住環境と各種疾病の有病割合に相関関係があることが示されました。

だからこそ「空気に配慮した暮らし」が必要なのですね。

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

住環境が居住者の健康維持増進に与える影響に関する研究
全国の戸建住宅の環境性能と居住者の健康状態に関する実態調査
川久保 俊, 伊香賀 俊治, 村上 周三, 星 旦二, 安藤 真太朗
日本建築学会環境系論文集 2014 79 700 p. 555-561

 

‐2024/8/22‐

【No.12】アトピー性皮膚炎患者の住居とその特徴  ―集合住宅におけるダニ数及び縁塵量の多い平面の分析―

アトピー性皮膚炎、気管支喘息などのアレルギー性疾患が増加し、国民の1/3が何らかのアレルギー性疾患を抱えていると言われています。アトピー性皮膚炎などの疾患は遺伝的要因と環境的要因が関係していると言われていますが、その発症メカニズムは未だ解明されていません。

本論文では、ダニやハウスダストの多い住宅を分析することで、集合住宅の何がどのように問題であるのか?アトピー性皮膚炎患者が居住する住宅の特徴を明らかにしています。結論は以下の通りです。

1. ハウスダストの重さとダニの数には相関がある。
2. どの階でも敷物がある部屋はダニが多い。
3. その部屋に多くのダニが生息し、別の部屋にも多くのダニが生息している可能性がある。
4. 台所はダニが少なく、居間と寝室はダニが多い。
5. ダニが多い部屋は南から北へ風を送るのが大変である。

これまで環境的要因として高気密化した集合住宅やアルミサッシなどの増加、アレルゲンとしてのヒョウヒダニ類の増加などが指摘されてきました。また、大掃除をしない、換気扇などを掃除しない等メンテナンスの不足や電化製品・家具など生活用品の多さ、畳の上にカーペットを敷くとヒョウヒダニ数が通常の何倍にも増えるなどが指摘されています。このような住宅の高気密化に伴う空気の流れの悪化がダニの生育しやすい高温多湿の条件を作り出し、ダニにとって住みやすい場所となっています。

空気はいろいろな場所・あらゆる場面で大事。あらゆる観点で空気をリサーチし、喘息・アトピー・アレルギーがいかに空気環境に影響されるのか。だからこその「空気に配慮した暮らし」⇒”空気科学住宅”

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

アトピー性皮膚炎患者の住居とその特徴
―集合住宅におけるダニ数及び縁塵量の多い平面の分析―
岡本 祥浩
都市住宅学 1999 年 27 号 p. 13-18

 

‐2024/9/20‐

【No.13】室内環境におけるアレルギー疾患の現状 ―真菌アレルギーを中心に―

成人喘息および過敏性肺臓炎患者宅のハウスダスト中の真菌相について一般真菌、(好稠性)好乾性真菌、放線菌、好脂性真菌等を検出し、そのアレルゲン性・皮膚アレルギー反応・血中lgE抗体価・眼反応・吸入誘発反応に対する結果についてまとめた論文です。

最近のように密閉性が強い高層マンションなど住宅構造が変化している今日では、屋内環境における真菌相をあらためて検討する必要があります。

検出真菌について一般菌では、CladosporiumPenicilliumAsp.vezsicolorが半数以上の家庭で検出され、好乾性菌では、Asp.restrictus、Wallemiaが多数の家庭で検出されました。また放線菌も半数以上の家庭で検出されました。

真菌について家塵と寝具塵での検出率を比較検討した結果、多くの真菌は家塵、寝具塵ともに認められるか、湿気が多いと思われる寝具のみに認められましたが、好乾性菌の代表であるAsp.restrictusWallemiaは、寝具からは検出されずハウスダストからの検出率が高い。これらの菌は、外気中での検出率が低く、家屋がこれらの菌により汚染されている可能性が示唆されました。また、室内家塵中の好乾菌であるAspergillus restrictusEurotiumによるアトピー性気管支喘息症例の報告も見られ、またIgG抗体やT細胞抗原としての真菌関連アレルゲン(抗原)の重要性も指摘されているという内容でした。

空気はいろいろな場所・あらゆる場面で大事。あらゆる観点で空気をリサーチし、喘息・アトピー・アレルギーがいかに空気環境に影響されるのか。だからこその「空気に配慮した暮らし」⇒”空気科学住宅”

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

室内環境におけるアレルギー疾患の現状
―真菌アレルギーを中心に―
秋山 一男
室内環境 2007 年 10 巻 1 号 p. 11-16

 

‐2024/10/22‐

【No.14】住宅における室内空気質に起因する健康影響―室内空気汚染とカビ・ダニ等の微生物汚染

気管支喘息やアトピー性皮膚炎の原因がダニ、ハウスダスト、カビ、ペットなど家の中のアレルゲンや大気汚染物質、PM2.5、黄砂などであると言われており室内の環境整備がとても重要です。

これらの近年間題となっている室内空気汚染質とその健康影響について、一般的な住宅における室内空気汚染源と発生をまとめることで、住宅で使用する建材、設置する設備機器等に関連する汚染防止対策について述べられています。

また、「建築材料に関しては、設計者や施工者は、製造工程や施工段階で使用する化学物質の性状を正しく把握して、室内空気汚染発生源となる恐れが少ないものを選択して使用するよう心掛けるべきであろう。」との記述も注目すべきです。

空気はいろいろな場所・あらゆる場面で大事。あらゆる観点で空気をリサーチし、喘息・アトピー・アレルギーがいかに空気環境に影響されるのか。だからこその「空気に配慮した暮らし」⇒”空気科学住宅”

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

住宅における室内空気質に起因する健康影響
一室内空気汚染とカビ・ダニ等の微生物汚染一
小峯 裕己
住宅総合研究財団研究年報 1997 23 p. 5-17

 

  空気科学住宅(論文)Ⅰ【No.1】~【No.5】 

  空気科学住宅(論文)Ⅱ【No.6】~【No.10】


 

野口 大輔
国立高等専門学校機構都城工業高等専門学校 教授
九州大学大学院総合理工学研究院 教授
国立病院機構都城医療センター附属看護学校 非常勤講師

所属学会:公益社団法人応用物理学会、公益社団法人日本表面真空学会
研究内容:地域資源(シラス等)を活用した新規機能性材料の開発と工学的応用
     薄膜作製技術を駆使した機能性無機薄膜の作製と物性評価
研究実績:野口 大輔 (Daisuke Noguchi) - マイポータル - researchmap