エアコンを使う時期の効果的な換気方法

2022/07/25(月) すべて空気と生活

エアコンを使う時期は、その効率が下がってしまうことを考えて、換気を控えてしまうこともあるかもしれません。
しかし、換気は感染症対策を始め、快適に暮らすために欠かせないものです。換気が必要なその理由と、効率のよい換気方法を紹介します。

 

エアコンをつけていても換気は必要

エアコンを使用する季節は、せっかく調整した部屋の温度が変わってしまうからと、窓を閉めっぱなしにしてしまうことがないでしょうか。エアコンをつけていれば換気もできていると思っている方もいるかもしれませんが、ほとんどのエアコンは部屋の中の空気を吸い込んで、温度を調整し、また部屋に戻しているだけなので、換気にはなりません。つまり、夏でも冬でも、エアコンを使う時期でも換気は必要なものです。

人が生活していると、二酸化炭素や湿気、油分などが含まれた汚れた空気が室内に溜まります。二酸化炭素濃度が高まると、頭痛やめまいなどの体調不良や集中力の低下につながるといわれています。また、人が出入りすると、花粉やホコリ、ウイルス、細菌などが外から持ち込まれます。換気をして室内の汚れた空気と屋外の新鮮な空気を交換することで、ニオイや結露、カビを防ぎ、感染症のリスクも下げられるのです。

 

24時間換気を活用しよう

2003年7月以降に建てられた住宅には、24時間換気システムが設置されています。24時間換気システムがあれば、窓などを開けなくても、2時間で室内のすべての空気を自動的に入れ替えることができます。

ただ、冬は寒さを感じることがあるため、給気口や排気口を閉じてしまったり、電気代がモッタイナイと、そもそもの電源を切ってしまっているというご家庭があります。しかし、その名の通り、これは24時間つけておくべきものです。電気代がかかるといっても、家やそこに住む人が快適に暮らすために必要なものです。

まずは、お住まいに24時間換気システムが設置されているのか、そして正しく使用できているのかを確認しましょう。また、フィルターが汚れていると、きれいな空気が入ってこなかったり、効率が落ちることがあります。定期的なお手入れを忘れないようにしましょう。

 

窓を開けて効率よく換気をするには?

24時間換気システムが設置されていない家や、24時間換気システムがあっても一度にたくさんの人が集まる場合などは、窓を開けて換気をする必要があります。

換気は部屋の広さや在室人数などにもよりますが、2時間に一回5分程度、窓を全開にして行うのが理想とされています。ただし、これだと室内の温度が一気に変化してしまうことがあります。

部屋の対角線上にある窓二箇所を細く開け、常時換気をするという方法なら、窓を全開にせず、暖房もつけっぱなしでいいので、室温が一気に変わらず、不快な思いをしなくて済みます。また、窓が一箇所しかなかったり、より素早く空気を入れ換えたい場合は、窓に向けて扇風機やサーキュレーターを回すと、室内の空気を外に押し出し、外気を多く取り込むことができます。

なお、換気をすると、温度と同時に湿度も下がります。湿度が10%下がると、体感温度が1℃下がるとされるため、冬は換気をすると、室温以上に寒さを感じることも。換気時にはできるだけ寒さを感じないよう加湿器はつけたままにしましょう。

ちなみに、夏の室内で快適に過ごせる温湿度は25~28℃/40~60%、冬で18~22℃/55~65%といわれています。暑さや寒さと感じたときは、エアコンの温度を調整するだけでなく、湿度にも注意してみましょう。除湿機や加湿器を併用するのもおすすめです。

 

エアコンを使う時期の上手な換気方法は?

エアコンをつかうときに換気をすると、温度調整の効率が落ちるのが気になります。エアコンを使っているときに窓を開ける場合は、できるだけエアコンから離れた位置の窓を開けるのがおすすめです。エアコン近くの窓を開けることで急激に温度が変化すると、エアコンに負担がかかり、消費電力が上がってしまいます。

また、帰宅した際には、夏は先に換気をして室内の暑い空気を外に出してから冷房を、一方冬は先に部屋を暖めてから換気をすることで、冷暖房の効率が上がると同時に節電にもつながります。

 


河野真希(家事アドバイザー)
https://www.kawano-maki.net/