苦手克服!油はねやニオイを防ぐ揚げ物のコツ

2022/12/05(月) すべて空気と生活

料理の中でも「苦手」という人が多い揚げ物。「油が跳ねて火傷をしそう」「キッチンが汚れて掃除が大変」「部屋にニオイがこもる」といった理由が挙げられますが、揚げたて熱々の揚げ物がおうちでも食べられたら嬉しいですよね。そこで今回は、揚げ物の油はねやニオイを少なくするコツを紹介します。

 

揚げ物の油が跳ねるのはなぜ?

揚げ物をしたときにパチパチと跳ねる油。油はねが起こる原因に水と空気があります。

水は油よりも沸点が低く、100℃で沸騰し、蒸発します。水だけであれば、水蒸気となって空気中に逃げていきますが、油の中の水分は沸点に達しても行き場がなく、油の中で膨張して爆発を起こします。また、食材の内部に含まれる空気が熱で膨張することでも、油はねが起こります。

 

油はねを防ぐコツ

①水分を取り除く

食材や調理器具の水分をしっかり拭き取ります。醤油などの液体で下味をつけたときにもキッチンペーパーで拭き取ってから、油に入れます。濡れた手で調理をするのも避けましょう。

②食材の下処理をする

イカや海老、オクラやししとうなどの食材は油はねを引き起こしやすいです。イカには薄皮があり、その内側の空気が膨張し、破裂することがあります。薄皮を取ってから揚げましょう。また、海老の尻尾は袋状になっており、その中には水分が入っていることが多く、油はねの原因に。尻尾の先を包丁で落とし、水分をしごき出します。さらに、オクラやししとうといった中が空洞となった食材も、空気の膨張による破裂の危険があるため、包丁などで数カ所切り込みを入れておくといいでしょう。

③深さのある鍋を使う

揚げ物は手持ちのフライパンなどでもすることができますが、油はねでの汚れを避けたいのであれば、深さのある揚げ物鍋を用意するといいでしょう。コンロ周りへの油の飛び散りを防げるだけでなく、多めの油で揚げると、食材を入れても油の温度が下がりにくくなり、サクッと美味しい揚げ物に仕上がります。

④油はね防止ネットを使う

調理前に水分を拭き取っておいても、食材そのものに含まれる水分によって油はねすることがあります。「これが怖い」という場合におすすめなのが油はね防止ネット(オイルスクリーン)です。ステンレス製の丸い網で、鍋やフライパンの上にかぶせて使います。油はねを防ぎながらも、上がってくる水蒸気は逃がしてくれます。油はねによる周囲の汚れの防止にもつながります。

ちなみに、「鍋やフライパンにフタをすればいいのでは?」と思うかもしれませんが、フタをしてしまうと、油の温度が上がりやすくなり、発火する危険が増します。フタをしているために、油の様子が見えず、気づくのが遅れるという不安もあります。また、水蒸気がフタについて水滴となり、それが油の中に落ちることで、より大きな油はねを起こす可能性もあります。

 

揚げ物をしたあとのニオイがこもるのはなぜ?

揚げ物のニオイの原因はオイルミストです。『おうち焼肉のニオイ、どうやって落とす?』でも解説しましたが、空気中に漂った細かい油が壁や床、家具や布製品などに付着し、ニオイがいつまでも続きます。基本的な対策は焼肉のときと同じですが、揚げ物ならではの注意点もあります。

 

揚げ物のニオイを減らすコツ

①新しい油を使う

揚げ油は一度で捨ててしまうのではなく、2~3回は繰り返し使うことができます。ただし、繰り返して使えば使うほど、油は酸化し、嫌なニオイを発するようになります。泡が消えにくくなったり、色やねばりが強くなった油は、使わないようにしましょう。

②米油を使う

揚げ油として使われるのはサラダ油が一般的ですが、米油で揚げ物すると、ニオイが少ないと言われています。酸化しにくいという特徴もあり、サラダ油よりも繰り返し使用しても、ニオイを気にせず揚げ物ができます。

③レンジガードを使う

コンロ周りに飛び散った油もニオイの原因となります。コンロだけでなく、その周りの壁にまで飛び散っていることがあり、掃除の手間がかかります。それを防ぐのにおすすめなのがレンジガードです。必要なときにだけ取り出して、普段は畳んでしまっておけるタイプのものをひとつ用意しておくと、揚げ物の油はねによる掃除の負担を軽くすることができます。

 


河野真希(家事アドバイザー)
https://www.kawano-maki.net/