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アグラ設計室一級建築士事務所×空気科学住宅

  • 代表の斎藤和人氏にコンセプトについて伺いました。
    「M様は二人とも学校の先生というまだ若いご夫婦ですが、「夫婦で『江戸東京たてもの園』の『前川國男邸』に感激し、同じ建物を作りたいわけではないけど、自分たちの住む夢の家はこんな空気感(コンセプト)の家が良いんです!」と、しっかりした、しかし少しハードルの高い希望がありました。

  • 前川國男は、昭和の初めに渡仏してル・コルビジェのアトリエで2年働き、帰国後はアントニン・レイモンド建築設計事務所でも活躍した、戦前戦後の日本のモダニズムをリードした建築家です。彼が1942年に自邸として建築し、今は『江戸東京たてもの園』に移築・保存されている『前川國男邸』は、私も理想とする素晴らしい木造建築です。

  • 内装:薩摩中霧島壁(SN‐16ソフトヘアライン仕上げ)

    太陽の光が眩しいほどに入るリビングには、高さが4.5mほどと絶妙に抑えられた吹抜けがあり、その空間の東側に2階に上る軽快な階段が見えるのが特徴です。また、リビングダイニングから大きな窓を通して庭や空に大きく繋がり広がっていくような開放感があり、1階部分には、障子襖が目隠しとして、そして光を柔らかく通す道具として存在しています。

  • 内装:薩摩中霧島壁(SN‐16ソフトヘアライン仕上げ)

    ただし、もちろんこのような『形』をそのままコピーをするのではなく、ご夫婦が感じた居心地の良さを共有し、その上で、ここで生きるご夫婦の考えや暮らし方、置かれた状況などをたっぷり話し合い、土地の持つポテンシャル(可能性と独特の特徴)を加味し、そこに更にアグラ設計室のテイストを加えたプランを提案しました。」

  • 内装:薩摩中霧島壁(SN‐16ソフトヘアライン仕上げ)

    さらに、斉藤氏の細やかな設計ポイントについても伺いました。
    「コーギロッジの風と光が南北に良く通る明るいリビングは、4つの大きなピクチャーウインドウがとても目立つようですが、実は室内から見た壁面の量も十分にあります。住空間として、そこに落ち着きと安心感を与えるには、窓1に対して壁3を目標に視覚的に見せて計画することがちょっとしたテクニックです。」

  • 内装:薩摩中霧島壁(SN-6)

    「いろいろな要望はありましたが、もう一つ代表的な希望として、この建物には茶室があります。茶道の先生であるおばあさまに幼いころからお茶を習っていた奥様から、両親や友人が泊まるための客間を茶道の練習室を兼ねた小さなお部屋にしたいという要望がありました。

  • しかし、コストを掛けて本格的に作ることは難しい。そこでお茶の作法を『練習する事』を第一目的とし、シンプルで出来るだけコストの掛からない材料を使って和モダンに仕上げました。ただし、練習には『寸法』がとても重要であり、京間とし(畳の目を正確に数え、空間の広さをお覚えるため)、躙り口(にじりぐち)を作っています。

  • また、玄関のスペースに露地や待ち合いも作り、もちろん水屋(亭主が茶事の点前に必要となる茶道具や水などを用意するための場所)も作られています。」

  • 内装:薩摩中霧島壁(SN‐16ソフトヘアライン仕上げ)

    生活動線もとても考えられています。水廻り(キッチン・洗面・トイレ)を回遊できる動線の中に置き、家事の時は流れるようにスムースに移動します。回遊動線は、ウッドデッキとリビング及びキッチンの間にも作っているので、それほど大きくないウッドデッキも、のびのびとした動線で無駄なく広々と使う事できます。ちなみにお茶室は、お客様が入る躙り口(にじりぐち)と亭主が動く出入り口が違いますから、これも回遊動線になっています。

  • 外装:スーパー白洲そとん壁W(W-129かき落とし仕上げ)

    庭にも細やか設計が生かされています。
    「庭は、敷地が広すぎるため逆にコストがとても厳しかったのですが、窓からの見え方を重点的に配慮して植栽配置しています。いや、窓の位置や高さを、設計当初より植栽の見せ方に合わせて計画していると言うべきでしょう。」と教えてくださいました。
    仕上げは、床はカラマツ、天井や枠材などはスギ、家具はタモとシナ、床の間にはクリ、軒がレッドシダー。内部の壁の一部と外壁にもシラス壁。自然の素材たちに包まれるようなお家です。

三重県四日市市のアグラ設計室一級建築士事務所様が設計・監理された伊勢のM様邸『コーギロッジ』にスーパー白洲そとん壁Wと薩摩中霧島壁をご採用いただきました。

『コーキロッジ』という名前は、実はM様夫婦共通の趣味が山歩きだと最初の面談でお聞きし、山道具の収納場所を考えるのがスケッチの一歩目だったからとのこと。

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