空気科学住宅(論文)Ⅱ

空気科学住宅®にお寄せ頂きましたご相談・ご質問に対して、
国立病院機構都城医療センター附属看護学校 非常勤講師 野口大輔先生監修のもと、
該当する学術論文をお探しし、ご案内してまいりました。

このページでは、喘息・アトピー性皮膚炎が起こる原因や空気環境との因果関係について
野口先生による【論文紹介】を掲載しております。

喘息とアトピー性皮膚炎の具体的な予防方法や室内環境の改善方法についても紹介していますので
参考にしてみてください。

詳細が気になる方は、オリジナル論文にも訪れてみてください。

【No.6】室内空気環境における新たな汚染物質

【No.7】チリダニ類の生態および温湿度変動からみた室内環境の乾燥化とアトピー性疾患

【No.8】環境汚染とアレルギーに関する免疫学的知見 ー特に室内空気質に焦点をあててー

【No.9】マルチレベル分析に基づくダンプネスによる児童への健康影響の検証

【No.10】居住環境におけるアレルゲン・ダストに対する空気清浄対策

 

‐2024/2/15‐

【No.6】室内空気環境における新たな汚染物質

今回の論文は、室内空気汚染に関する問題及び研究動向などに関して、東京工業大学、鍵直樹先生がまとめた論文です。

室内の空気汚染物質としては、浮遊粉じん、二酸化炭素、一酸化炭素、ホルムアルデヒドが良く知られていますが、その他の物質についてはご存知ですか。
論文では、今後注目すべき室内空気環境汚染として考えられる微生物由来揮発性有機化合物(MVOC)、微粒子(PM2.5)及びハウスダストに吸着する準揮発性有機化合物(SVOC)について、それぞれの概要と健康影響に関する知見及び発生源との対策など、今後の課題について述べています。空気はいろいろな場所・あらゆる場面で大事。あらゆる観点で空気をリサーチし、喘息・アトピー・アレルギーがいかに空気環境に影響されるのか。だからこその「空気に配慮した暮らし」⇒”空気科学住宅”が必要なのですね。

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

室内空気環境における新たな汚染物質
鍵直樹
保健医療科学,2014 Vol.63 No.4 p.350-358

 


‐2024/3/26‐

【No.7】チリダニ類の生態および温湿度変動からみた室内環境の乾燥化とアトピー性疾患

近年、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症などのアレルギー性疾患が世界的に増加しています。わが国において1960年代までこれら疾患は家系的な、比較的稀な疾患であるとみなされていましたが、1991年の厚生省の調査では国民の約3割が何らかのアレルギー症状を有し、急増していることが示されました。アレルギー性疾患には遺伝的素因と環境的要因が関係しており、疾患の増加要因としては生活環境の変化が大きいと推定されています。特にこれら疾患の主要な病因アレルゲンが、室内生息性のヒョウヒダニ類の糞や虫体成分に由来することが判明し、都市化や住宅の気密化、断熱化、高層化、冷暖房の普及などにより室内環境が温暖湿潤化することで、ヒョウヒダニ類の増殖や生息に好適な環境になってきたことによると推測されています。

今回紹介した論文では、チリダニ類の生態学的特徴や生息分布と住環境との関連および温湿度変動について、アトピー性疾患の発症、悪化との関連から考察した結果、ダニ相の変化やアトピー性疾患の増加の一因として生活環境の温暖乾燥化が推察され、疾患の予防にはダニなどのアレルゲン対策と同時に、皮膚や粘膜の過乾燥を防止するように生活環境の湿潤化を図ることが重要であると述べられています。だからこそ「空気に配慮した暮らし」が必要なのですね。

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

チリダ二類の生態および温湿度変動からみた室内環境の乾燥化アトピー性疾患
須藤千春
環境技術 1999年28巻3号 p. 167-173

 


‐2024/4/30‐

【No.8】環境汚染とアレルギーに関する免疫学的知見 ー特に室内空気質に焦点をあててー

近年、World Health Organization (WHO)ヨーロッパ地域オフィスから室内空気質に関する2つのガイドライン:①WHO guideline for indoor air qualitydampness and mould, WHO guideline for indoor air qualityselected pollutantsが刊行され、室内空気質汚染によるアレルギーとの関与について示されています。本論文では環境汚染とアレルギーとの関連について、これまでの疫学的調査による知見にWHOのレポートや近年のレビューの内容も加えて紹介し、特に室内環境空気質汚染によるアレルギー症状のリスクを高める因子について述べています。

論文では、室内空気質汚染によるアレルギーのリスクを減らすうえで意味がある要因として、①室内のダンプネスを防ぐ、②真菌やダニアレルゲン量を減らす、③室内の化学物質濃度を低く保つ、この3点を紹介しています。暮らしの中で室内換気はこれらの要因を低減できる効果があることから、だからこそ「空気に配慮した暮らし」が必要なのですね。

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

環境汚染とアレルギーに関する疫学的知見 : 特に室内空気質に焦点をあてて
荒木 敦子アイツバマイ ゆふ, 岸 玲子
アレルギー 2014 63 8 p. 1075-1084

 


‐2024/5/20‐

【No.9】マルチレベル分析に基づくダンプネスによる児童への健康影響の検証

今回紹介した論文は、人が長い時間を過ごしている室内環境を考慮し、国内児童のアレルギー性疾患の被患率の増加傾向について、結露とカビ発生がアレルギー性疾患に及ぼす影響を明らかにした論文です。

2009 年、WHO(世界保健機関)はダンプネス(局所的に湿度が高い場所)に着目した室内環境ガイドライン文をまとめ、健康影響やリスク評価について言及しています。しかし、我が国では、必ずしも問題意識が高いとはいえません。

本論文では、カビが複数箇所で発生している住居に住む児童ほどアレルギー性疾患を有する可能性が高く、また、地域性を考慮しても個人レベルでは「カビの発生」が、都道府県レベルでは「交通量」や「工場」等の周辺環境がアレルギー疾患に影響を与えていると結論づけています。

空気はいろいろな場所・あらゆる場面で大事。あらゆる観点で空気をリサーチし、喘息・アトピー・アレルギーがいかに空気環境に影響されるのか。だからこその「空気に配慮した暮らし」⇒”空気科学住宅”

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

マルチレベル分析に基づくダンプネスによる児童への健康影響の検証
安藤 真太朗,白石 靖幸,長谷川 兼一,坂口 淳,三田村 輝章,鍵 直樹,篠原 直秀
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 G-50
平成28年度大会(鹿児島)第6巻 温熱環境評価 編

 


‐2024/7/8‐

【No.10】居住環境におけるアレルゲン・ダストに対する空気清浄対策

近年、アレルギー疾患の罹患率は世界的に上昇しており、わが国を含め先進諸国における小児気管支炎、アトピー性皮膚炎、花粉症等の増加が著しい。その原因としては①住環境の変化、②食生活の変化、③空気環境の変化、④精神環境の変化、⑤アレルギー素因の増加など、様々な要因が関わっているが、アレルギー反応の直接的原因物質となるアレルゲンの制御が重要な課題です。

今回紹介した論文では、空気中に浮遊し呼吸によって身体に取り込まれるアレルゲンとしてダニ、カビ、花粉を取り上げ、居住環境におけるその実態と制御を中心とした発生源対策方法について述べられています。空気清浄機の使用には限界があり、発生源そのものの対策の方がはるかに重要で、整理整頓、清掃、通風、換気、天日干しといった昔からの日常の住生活の習慣が現在でも順守されるべきであると結論づけられています。だからこそ「空気に配慮した暮らし」が必要なのですね。

 

起きている間も、眠っている間も、人は呼吸をし続けています。
人が一日に呼吸する量は14,400L。500mlのペットボトルに換算すると28,800本分に相当します。

また、私たちが一生涯で摂取する物質の割合をみると、飲食物よりも空気の方が圧倒的に多く、中でも「室内空気」は全体の57%を占めます。

にもかかわらず、現代の住宅は高気密。24時間換気が行われているとはいっても、毎日営まれる人間の生活によって、ニオイや湿気など様々な物質がこもりがちです。さらに、住宅建材に使われる化学樹脂からは、様々な種類の化学物質が揮発しており、たとえそれが微量であったとしても、住まいの空気質、そして住む人の健康に大きな影響を与えることがあります。

最近では、この化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康被害が指摘されており、よく耳にする「シックハウス症候群」もこの室内空気汚染が原因と考えることができます。WHO(世界保健機関)は「大気汚染」や「室内空気汚染」によって年間約300万人が死亡しており、このうちの280万人が「室内空気汚染」による死亡、残り20万人が「大気汚染」による死亡であると試算しています。

シックハウス症候群以外にも、空気環境が良くないことで気管支炎喘息、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症などの病気が誘発されるとも言われており、これらの病気には、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の人が苦しんでいます。

また、化学物質が人に与える影響は、一般に大人よりも成長期の子どもの方が大きいと考えられ、体重1kgあたりで比較すると、子どもは大人の2倍近くの化学物質を取り込んでいることになります。

家族みんなが安心して暮らせる住まいを考えたとき、そこに、「空気に配慮した家」を求める理由があります。私たちは健康のために食べ物や水を選ぶのと同じように、室内空気の安全性にも気を配る必要があると考えております。

 

居住環境におけるアレルゲン・ダストに対する空気清浄対策
入江 建久
エアロゾル研究 1998 13 1 p. 5-12

 

  空気科学住宅(論文)Ⅲ【No.11】~【No.15】 

 


 

野口 大輔
国立高等専門学校機構都城工業高等専門学校 教授
九州大学大学院総合理工学研究院 教授
国立病院機構都城医療センター附属看護学校 非常勤講師

所属学会:公益社団法人応用物理学会、公益社団法人日本表面真空学会
研究内容:地域資源(シラス等)を活用した新規機能性材料の開発と工学的応用
     薄膜作製技術を駆使した機能性無機薄膜の作製と物性評価
研究実績:野口 大輔 (Daisuke Noguchi) - マイポータル - researchmap